ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
少し俯いた彼の横顔を見つめる。

色白だけど、病み上がりなのもあって顔が青白い。



「1人だけど、友達も部活仲間もいるし。趣味も充実してるから寂しくないよ」

「そう……」

「暗くなるからこの話終わりな」



毛布を畳んでベッドに置きにいく彼の背中を見つめる。

そうは言っても……苦しんでいる時に誰もそばにいないなら、誰だって寂しい気持ちになるよ。



「ねぇ、夏休み、詩恩ん家に遊びに行ってもいい……?」



夏休み中に入ったら、一気に交流が減る。

部活はあるかもしれないけど、今年はみんな自由に活動してるって言ってたから、しょっちゅう会うことはないかもしれない。


だから、少しでも楽しい思い出を作れたらなと思った。



「いいよ。星観たいって言ってたもんな」

「本当に⁉ あ、でも部屋は……」

「ゲストルームあるからそこに泊まればいいよ」



ゲストルームがあるの⁉
あれだけ広いならそりゃあるか。


戻ってきた彼が隣に腰を下ろす。



「……なんか、近くない?」

「いつもはそっちから近づいてくるのに?」

「そうだけど……」
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