ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
今、ちょっと動いたら肩が触れ合う距離にいる。

急にどうしたんだろう。
さっきも、隣に来ればって言ってたし……。



「なんか気味悪いよ。熱で頭おかしくなったの?」

「熱じゃなくて、明莉がグイグイ来るからおかしくなったんだよ。最初の頃はめっちゃ嫌だったのに、今はもう何とも思わなくなってるし」



それって、私のせいで距離感バグったってこと……?



「もう! すみませんでした!」

「別に謝らなくても……こっち向きなよ明莉ちゃん」



そっぽを向いた背後から名前を呼ぶ声が聞こえる。

またちゃん付けして……!



「……なんで赤くなってんだよ。俺、黒瀬先輩じゃねーぞ」

「ち、近かったからビックリしただけ」



振り向いた先に顔があり、急いで顔を背けた。


ビックリした……あんな真ん前に……。

前にも似たようなことあったっけ。



「昨日抱きついてきたくせに照れてんの?」

「その顔で見ないでよ……!」



腹黒感たっぷりの笑顔で顔を覗き込まれ、両手で赤くなった顔を覆う。


いつもはイライラムカムカするのに。

距離が近いから変にドキドキする。
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