ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「ただいま~」

「あ、おかえり先生!」

「あっ……こんにちは!」



帰ってきた海先生に挨拶をすると、先生は目を丸くして私達を見た。



「北松さん……冬川くんと友達なの?」

「あっ、はい!」



そういや、始業式の日に相談したっきりで、友達だってことまだ話してなかったな。



「昔の友達なんです!」

「なんで腕組むんだよ。放せ」

「あっ、ごめん!」



急いで腕を放すと、海先生はクスクスと笑い出した。



「仲良しだね」

「せ、先生は詩恩が腹黒だって知ってましたか⁉」

「うるさいな。ここ保健室だから静かにしろよ」

「先生、今の聞きましたか……⁉ これです! いつもこんな感じで私にだけ当たりが……」



必死に訴えかけていると──。



「騒がないって、約束したろ?」



横から手が伸びて口を塞がれ、耳元で低い声が聞こえてきた。



「ははは放してよ……!」

「あれ? また赤くなった?」



再び顔を覗き込まれ、パッと顔を逸らす。

さっきよりも腹黒感が増しているのに、ドキドキが収まってくれない。
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