ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
バカバカバカバカ! 詩恩のバカ!
騒いだのは悪かったけど……あんな、あんな耳元で囁くなんてズルいよ……!



「こら、からかわないの」

「アハッ、すみません。反応が面白くってつい」



先生に注意され、一瞬にしてニコニコ顔に早変わり。

いや、だから!
「つい」で口塞ぐ人がどこにいるんだって!

この腹黒ツンデレ男が!



「今度はツンデレかよ。ヘアピンと王子はどこにいった」



うげっ、また心の声が漏れてた。



「もう! いい加減にしなさいよ! このヘアピンツンデレ腹黒王子!」

「どれか1つにしろ」

「アハハッ、本当に仲良しだね〜。付き合ってるの?」

「「違います!」」



あっ……。



「息もピッタリだね」

「先生っ……!」

「先生、充分温まったので帰りますね。ありがとうございました」

「ちょっと……っ!」



私の腕を掴んでずんずん歩く詩恩を呼び止める。



「ちょっと! あれじゃ誤解されたって!」

「付き合ってないって否定はしたでしょ」

「でも、仲良しって……」



言い終える前に口に指を当てられた。



「仲良くないって言ったら、心配されるだろ?」
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