ライオン少女は宇宙系男子を落としたい




放課後。

千夏と一緒に自転車を押して帰りながら、詩恩が口にしていた言葉を回想する。


心配って、もう高校生だよ?
先生が生徒同士の仲を気にするか?



「もしかしたら冬川くんは、人間関係で何かあったのかもしれないね」

「何かって?」

「例えば、友達とケンカして先生から怒られたとか」



詩恩がケンカ……想像つかないなぁ。

宇宙オタクなだけあって、宇宙のように広い視野を持ってるから、すぐキレたりはしなさそうだけど……。



「まぁ、それは本人に聞いてみるとして。明莉は冬川くんと仲良しじゃないと思ってるの?」

「いや、前に比べたら仲良くなれたとは思うけど……詩恩は違うかもしれないし」

「いつも強気でアタックしてるのに?」

「そうだけど、私だけが一方的に仲良くなってるって思ってたら悲しいじゃん」



星くんも自分には冷たいって言ってたけど、同性だし。
異性の私とは距離感も多少は違うと思う。



「そもそも、仲良しの定義って人それぞれだよ?
『スキンシップを取るようになったら』とか『腹割って話せるようになったら』とか。冬川くんは明莉のこと何て言ってるの?」
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