ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「直接聞いたことはないけど、『私のおかげで色んな人と話せるようになった』って」

「それ……仲良しどころか感謝されてるじゃん。自信持ちなよ」



感謝⁉ あの詩恩が私に感謝……⁉



「信じられないって顔に書いてあるね。冬川くんだって感謝するでしょ」

「……そうだね」



やっぱり星くんが言ってた通り、素直になれないだけなのかな。


いつか……素直で照れてる姿を見てみたいな。

あと、ちょっと想像つかないけど、何も企んでない、純粋で優しくて甘々な姿も。







お風呂から上がってスマホを見ると、詩恩から着信が来ていた。

わわっ、何件も。急用かな。



「……はいもしもし」

「もしもし詩恩? 今大丈夫?」

「うん」

「ごめんね。さっき電話したんだよね? 何か用だった?」

「あぁ……俺のこと、親に話した?」



なんとなくいつもと違う様子に、一気に緊張が走った。



「えっ、と……話したけど……」

「俺が風邪引いたことも?」

「う、うん……」

「……そう。わかった。じゃ」



……いつもと違って、暗かったような。

まだちょっと具合悪いのかな……?
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