ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「ええっ⁉ 男の子の家に泊まるんだよ⁉」

「友達の家に泊まるとは言ったけど、誰の家に泊まるかは言ってないよ。そもそも、全部言う必要ある?」

「私は嘘つけないから全部話してる……」



顔を上げて答えると、千夏は苦笑いしながら私の両頬を挟んだ。



「明莉の家族はオープンだから色々話しやすいのかもしれないけど、言いたくないことは無理して言わなくていいの! 大体、この年で親にあれこれ報告したり相談してる人、少ないと思うよ?」

「そうなの……?」



両頬を押さえていた手が離れる。


千夏曰く、中学の頃に保健委員をしていた時、生徒達が先生に相談しているのを聞いていたことがあったようで。



「『親に言えない』とか、『まともに話を聞いてもらえない』って言ってた」

「そんなにみんな悩んでたんだ」

「うん。恥ずかしくて言い出せないって人もいたけど、家庭環境が影響してる人が多かったかな。共働きとか、小さい兄弟がいたりとか」

「っ……!」



確か詩恩の親……共働きで海外を飛び回ってるって。それにお兄さんもたまにしか帰ってこない。

本人は否定してたけど……育ってきた環境柄、素直になれないというよりは、言い出せないだけ……?
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