ライオン少女は宇宙系男子を落としたい




「北松さんの成績はこちらです」



三者面談当日。
先生から手渡された成績表を受け取り、母と一緒に目を通す。


良かった、予想よりもそこまで悪くない。
中間で点を稼いでおいて良かったぁ。



「期末で点数が落ちてたから、2学期は気をつけてね」

「はい……」



あぁ……先生、どうして余計なことを言っちゃうの。

点が落ちてたのは自分でもわかってるって……。



「明莉」

「……はい」



神妙な表情で成績表を見ている母に恐る恐る返事をした。

お願いします、どうかお小遣いだけは……。



「……点数が落ちてこの成績なら、ちゃんと勉強したらもっと上がるんじゃない?」

「え……?」



予想と反する反応に目を見開いた。



「そうね。提出物を全部出すようにしたら平常点も上がると思うよ」

「すみません。うちの子忘れ物が多くて……」

「先生! それ言わないで!」



怒られるか心配していたけれど、気まずい空気になることもなく無事に終了。

お小遣いも減額されることはなかった。
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