ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「ねぇ、今度成績が上がってたらお小遣い増やしてくれる?」

「そうねぇ。パパ次第かな。その分、赤点取ったら減らすからね」

「うっ……それはプレッシャーだよぉ……」



お小遣いの昇給を交渉しながら昇降口へ向かうと、下駄箱の前で詩恩と知的な雰囲気の若い男の人が楽しそうに話していた。

もしかしてお兄さんかな?



「おーい!」



手を振って駆け寄り、詩恩の隣にいるお兄さんに挨拶をする。



「はじめまして! 北松明莉です!」

「こちらこそ。兄の冬川雄基です。よろしくね」



母も合流してお互いに挨拶を交わした。

お兄さんは医大生で、今日は親の代わりに面談に来たんだそう。

夏休みに外泊する件について話し合い、子ども達だけだと心配だということで、お兄さんが付き添ってくれることに。



「娘がお世話になります」

「いえいえ。こちらこそよろしくお願いいたします。まず日程なんですが……」



説明を聞いていると。



「明莉、ちょっといい?」

「何?」



突然詩恩に手招きされ、少し離れた場所に移動。

なんだろう……お兄さんに言えない話でもするのかな。
< 119 / 242 >

この作品をシェア

pagetop