ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
お泊まり会

明莉の心配

外泊当日。



「わざわざ送り迎えしてくれるなんて、お兄さん親切だね~」

「だよね~。おまけに頭もいいしイケメンだし。きっとモテモテだろうなぁ」



詩恩のお兄さん──雄基さんが迎えにきてくれるとのことなので、現在、千夏と一緒に待ち合わせの駅で待機している。



「兄弟揃ってイケメンなんだ。冬川くんに似てるの?」

「詩恩よりも少しキリッとした顔してたかな」

「へぇ……」



千夏の顔が緩んでいる。

確か千夏はキリッとした年上の人がタイプだったっけ。
同級生は子どもっぽいから恋愛対象外らしい。



「にしても、晴れて良かったね」

「フフフ……実は今日のために、夏休み前から毎日てるてる坊主作ったんだよ!」



「じゃーん!」とスマホの画面を見せた。

1体ずつ写真を撮って、コラージュして1枚にまとめたのだ。



「うわっ、なにこれ! 全部で何個あるの?」

「んー、20個はあるかなぁ」

「さすがに作りすぎ……使い道あるの?」

「大丈夫! 全部ティッシュで作ったから再利用できるよ!」

「ハハッ、随分エコだこと」
< 123 / 242 >

この作品をシェア

pagetop