ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「あら懐かしい! これ小学生の時よね?」

「そうそう! で、この男の子覚えてる?」

「うん。この子すごくしっかりしてたから」

「本当⁉ 名字はわかる⁉」

「はいはいちょっと待って。今確認するから」



興奮する私を落ち着かせて、スマホを取りに行った母。


わりと長くブームが続いたから、引っ越すギリギリまで行ってて、彼とは頻繁に会っていた。

その分、口約束する回数も多くなり、見かねた母親達が仲介役として連絡先を交換したのだ。



「あぁ、そうそう冬川さんだったね」



母の背後からチラッと覗くと、電話帳に【冬川さん(プラネタリウム)】という名前が。

今も時々連絡しているらしい。


嘘でしょ⁉ 本当に同一人物なの⁉
でも、同姓同名の人かもしれないし……。



「名前は……?」

「覚えてないの? 『シオンくん』よ。冬川シオンくん。同い年だったじゃない」



改めてフルネームで言われて、ドクンと心臓が跳ね上がる。

眼鏡をかけているからわかりづらいけど……よく見たら少し面影があるような気もする。



「今も時々プラネタリウムに行ってるみたいよ。あ、これこないだもらった写真よ。綺麗ね〜」



画面上で月を観賞しながら情報を整理する。

プラネタリウムは、今日先生と一緒に行くって言ってたよね。

だとすると……やっぱりあのヘアピン王子は、私が好きだったシオンくんなの……⁉
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