ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
健に謝罪した後、部屋に眼鏡を取りに行った。

よし、これでハッキリ見える。


あれが北斗七星なら……隣にあるのが北極星で……。

んで、あれがヘルクレス座かな?



「ヘラクレス?」



夜空を見上げていると、横から明莉がキラキラした目で声をかけてきた。

さっきの声に出てたのか。



「何何? カブトムシ?」

「違う。虫じゃなくて、ギリシャ神話に出てくる英雄」

「人?」

「うん。あの小さい星達がヘルクレス座。親がゼウスっていう神様で……」



夜空を指さしながら夢中で説明する。

ふと隣を見ると、明莉は首を傾げて、頭にハテナマークをたくさん浮かべていた。


あ、つい暴走してしまった。
「ゼウスって誰?」って顔してる。



「あ~! また詩恩ってば暴走してる~!」



ケラケラ笑いながら健がやって来た。



「星座初心者には、もっとわかりやすいのを説明しないと!」

「……悪かったな」

「あ、ううん! 全然!」



軽く反省していると、少し離れたところで、光野さんがクスクス笑っているのに気づいた。

なんか俺、今日調子狂ってる……?
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