ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
王子の正体
入学式をまたいだ登校日。
「えっ⁉ 知り合いだったの⁉」
「まだ確定とは言えないけど……多分」
今日は寝坊せずに間に合ったので、千夏と雑談しながら、朝のホームルームを待つ。
一昨日の彼、ヘアピン王子こと冬川くんが、昔の友達かもしれないと話したら、案の定めちゃめちゃ驚かれた。
「多分って。なんでそんなに弱気なの。あんなにはしゃいでたのに」
「だって! もしかしたら、同姓同名の同じ趣味の子かもしれないし……」
もしそうだとしたら、好きだった人を怒らせたことになる。
しかも私、今と昔でキャラが全然違うし。
嫌われてたらどうしよう。
「そういえば、確か冬川くん、去年女装コンテストに出てたよ」
「えっ! そうなの⁉」
「明莉途中から来たから知らなかったか。似合い過ぎてて、一時期『雪の妖精』って言われてたんだって」
「あ! 聞いたことある!」
女装コンテストは、私達が通う天地高校の文化祭での催し物。
元は男子校で、当時から毎年のように行われていたんだけど、過激な女装をする人が増えたため、一時期中止されていたらしい。
解禁されたのは、共学になって10年目の去年。
かなり盛り上がったそうだ。
「えっ⁉ 知り合いだったの⁉」
「まだ確定とは言えないけど……多分」
今日は寝坊せずに間に合ったので、千夏と雑談しながら、朝のホームルームを待つ。
一昨日の彼、ヘアピン王子こと冬川くんが、昔の友達かもしれないと話したら、案の定めちゃめちゃ驚かれた。
「多分って。なんでそんなに弱気なの。あんなにはしゃいでたのに」
「だって! もしかしたら、同姓同名の同じ趣味の子かもしれないし……」
もしそうだとしたら、好きだった人を怒らせたことになる。
しかも私、今と昔でキャラが全然違うし。
嫌われてたらどうしよう。
「そういえば、確か冬川くん、去年女装コンテストに出てたよ」
「えっ! そうなの⁉」
「明莉途中から来たから知らなかったか。似合い過ぎてて、一時期『雪の妖精』って言われてたんだって」
「あ! 聞いたことある!」
女装コンテストは、私達が通う天地高校の文化祭での催し物。
元は男子校で、当時から毎年のように行われていたんだけど、過激な女装をする人が増えたため、一時期中止されていたらしい。
解禁されたのは、共学になって10年目の去年。
かなり盛り上がったそうだ。