ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「はいはい! どーせ私は慌てん坊ライオンですよーだ!」

「そこはハムスターじゃないんだ」



すかさずツッコむと、この野郎と言わんばかりに睨まれた。

ちょっと意地悪すぎたかな。



「ごめんごめん。その顔ハムスターにそっくりだったから」

「……ライオンかハムスターかどっちかにしてよ」

「それは困るなぁ。どっちも好きだし。そういう明莉も、前にヘアピンツンデレ腹黒王子って言ってたじゃん。今度は宇宙系ブラコン男子って言うんじゃ……」



ふと明莉の顔を見ると……目を丸くしてフリーズしている。


えっ、どうした?

そういえば、ハムスターも驚いたらこんな風にフリーズするっけ。

なんか驚かせるようなこと言ったか……?



「何、が、好きって……?」

「え? ライオンとハムスターだけど……」



なぜそんなポツリポツリと……。
何かゴニョゴニョ話してるけど聞こえねぇ。

口元に耳を近づける。



「私にそっくりな動物が好きということは……その、つまり……私のことも……」



顔を正面に向けると、目と鼻の先に頬を赤く染めた顔があった。

あぁ……なるほど。
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