ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「……明莉のこと好きだよ。人として」
「…………えっ」
真っ直ぐ目を見て答えると、声のトーンが急に下がった。
「ひ、人として⁉ 異性としてじゃなくて⁉」
「うん。俺、異性としての好きと、人としての好きがあまりわからないんだよね。あと、恋愛特有のドキドキもあまり感じないんだ」
「はぁぁぁ⁉」
健に言われた通り、気持ちを全部伝えたのだけど……予想と違う答えにブチギレさせてしまったようだ。
「ごめん。でも人としては好きだから。これからも友達として仲良くし……」
「私のドキドキ返してよーー! 詩恩のバカーー!」
「ちょ、やめろ! 服引っ張るな!」
あーあ。
せっかく可愛かったのに、暑苦しいライオンに戻っちゃった。
俺、一生女心理解できないかもしれない。
プンプン腹を立てている明莉をなだめながら部屋まで送り届ける。
「じゃ、寝坊しないで早く起きろよ? おやすみ」
そう言い残して立ち去ろうと横を向いたその時。
耳元でリップ音がしたと同時に、頬に一瞬柔らかい感触がした。
えっ、今……。
「ちょっ……」
「お、おやすみ……!」