ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「隼! 透瑠くん!」



すると、青石先輩が自転車を押しながら駆け寄ってきた。



「あ、北松さん! 久しぶり~」

「お久しぶりです!」


「黒瀬先輩、水沢くん、こんにちは!」



笑顔で挨拶した瞬間、なぜか青石先輩の陰から詩恩がひょっこり顔を出してきた。


えっ⁉ なんでいるの⁉
もしかして、青石先輩と一緒に来たわけ⁉


ニコニコしている彼をガン見するが、ハッと我に返り慌てて顔を下に向ける。


いけない! ずっと避けてたんだった!
ううう……気まずいよぉぉ。



「おい明莉」



俯いていると、詩恩にボソッと名前を呼ばれ、ビクッと肩を震わせる。

この声のトーンは絶対怒ってる……。



「先輩達帰るって。挨拶」

「あっ……さようならっ!」



急いで顔を上げて、先輩達に挨拶。

楽しそうに会話しながら帰っていく3人を眺めると。



「久しぶり。元気だった?」

「あ……うん」



とうとう2人きりになっちゃった。
もう避けられないよぉぉ。



「ちょっと話がしたいんだけど、この後時間ある?」

「……うん」
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