ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
お互い一言も発さないまま食事を終えた私達。

お口直しにジュースを一口。



「黒瀬先輩のことなんだけどさ」



紅茶を飲んだ詩恩がマグカップをテーブルの上に置いて話を切り出した。



「先輩、今日水沢くんの家に行くって言ってなかった?」

「あ……うん。青石先輩も一緒だって……」



飲んでいるジュースを一旦置いて話に耳を傾ける。

家に行くのを知ってるってことは、青石先輩から聞いたんだな。



「どうしてか知りたい?」

「えっ……?」



それはつまり、黒瀬先輩が水沢くん家に行く理由を知りたいか? ってこと?



「何か理由があるの?」

「うん」



えええ……何だろう……。

久しぶりに遊ぼうよとか?

3年生って忙しそうだから、なかなか遊ぶ時間取れなさそうだし。


そもそも、遊ぶのに理由なんてある?
遊びたいから遊ぶんじゃないの?


でも、こういう聞き方してくるってことは、何か特別な理由でもあるのかな。



「その理由は何なの……?」

「それは────今日、水沢くんのお姉さんの命日だから」
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