ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「それに、女装姿の水沢くんのこと、『ドストライク』って言ってたんだよ?これはもう、十中八九お姉さんだと思う」



考察スキル高すぎでしょ……。

でも、一緒に料理するほど仲良しだったのなら、可能性はありそうだ。



「黒瀬先輩とは連絡取ってるの?」

「うん。夏休みも何回か電話したよ」

「……そう」



なんだその反応。
嬉しくもなければ、嫉妬してるわけでもない、なんとも言えない反応は!



「まさかまだ疑ってる? 本当にただの推しなだけだって」

「ならいいんだよ。恋愛に発展しなけりゃ」

「……もしかして、『黒瀬先輩は今も水沢くんのお姉さんのことが好きかもしれないから、本気になるな』ってこと?」

「うん。特に明莉はダメ。水沢くんと同類の顔だから重ねられるかもしれない」



と、私の目を真っ直ぐ見てハッキリと言い放った。



「あと、人気者と付き合ったら周りから嫉妬されるかもしれないし。せっかく明るくなったのに、またビクビクしながら過ごすの嫌でしょ」

「……うん」



「学校でビクビクしながら過ごしてる」って話したの、もう5年くらい前なのに今も覚えてたんだ。

そっか。
今までしつこく念押ししてきたのは、私のことを心配していたからなんだ。
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