ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
今なら確実にイケる。

だってさっき、自分の気持ち話してくれたんだもん。

きっと私の質問にも素直に答えてくれるはず。
さぁかかってこい!



「……ニコニコしてたほうが、人間関係が円滑になるかなって。何か問題起こしたら親に連絡がいくだろ? 内容によっては帰国しないといけない。もしそうなったら迷惑かけちゃうから、平和にやり過ごすように、笑顔を振り撒くようになった」



数秒間の沈黙の後、詩恩は落ち着いた口調で話し始めた。

中学生で家族のためにそこまで色々考えてたの……?



「中学に入ってから友達はできたんだけど、今まで明莉以外に友達がいなかったから相談する勇気がなくて。先生に言おうかなとも考えたんだけど、親に連絡いきそうで結局言えなかったんだよ」

「雄基さんにも相談しなかったの?」

「うん。受験生で忙しそうだったし」



私……何も知らずに、腹黒だの可愛い子ぶってるだの好き放題言っちゃってた。

ただでさえ、体調崩した時に家で1人でやり過ごしているのに。
学校でもずっと我慢して、周りに心配かけないように笑顔で振る舞ってたなんて。


あ……だからあの時、『心配されたら困るだろ?』って言ってたんだ。
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