ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「ごめんなさい……」

「いいって。何も知らなかったんだし、気にすんな」



少し俯く私の頭に優しくポンと手が置かれた。

今まで、「冷たくて意地が悪い腹黒」だと思っていたけれど……。


本当に腹黒なら、自分の時間を削ってまで朝から勉強を教えたり、着ている服をわざわざ脱いでまで貸さないはず。


そして今もこうやって、私の質問にちゃんと答えてくれて、なんだかんだ許してくれて……。



「フフフ……」

「なに笑ってんだよ」

「やっぱ昔と変わってなかったんだなぁって」

「は?」

「優しいところ!」



まぁ、今は正統派王子様じゃなくて、宇宙系ヘアピンツンデレ腹黒思わせ振りブラコン王子様だけど……。



「相変わらず名前がなげーな。ってか思わせ振りってなんだよ」

「えっ⁉」



やだ、また声に出てた……⁉

っていうか、そんなピンポイントでツッコんでこないでよ!



「優しくてえくぼのある王子様、ねぇ……」



焦ってアワアワしていると、何かに気づいたのか、詩恩は頬杖をついて怪しい笑みを浮かべ始めた。
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