ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
スタスタと私の席に近づいてきた詩恩。
逃げられないとわかり、顔を合わせないようそっぽを向く。
「はい、忘れ物」
恐る恐る顔を向けると、目の前には白い封筒が差し出されている。
受け取ると、中からチャリンと小銭の音が。
「昨日のおつり」
「あっ、ありがとう……」
そのままくすねることもできたのに、わざわざ持ってきてくれたんだ。
本当、優しいのか腹黒なのか……。
「わぁお、冬川くん律儀だねぇ~」
2人が話している間に、こっそり封筒をバッグにしまう。
すると、鼻につくふにゃふにゃした笑い声が聞こえてきた。
「明莉ちゃんにとって、俺は王子様らしいから、優しくしようと思ってね」
昨日と同じ、ドス黒い笑み。そして両頬のえくぼ。
またからかってきたな……⁉
声が小さかったから他のクラスメイトには聞こえてないみたいだけど、このセリフは心臓に悪すぎる……!
しばらく彼は千夏と談笑した後、機嫌を損ねた私に気を遣ってなのか、何も言わずに帰っていった。
はぁ……おつりをもらっただけなのに、なんか疲れちゃった。
逃げられないとわかり、顔を合わせないようそっぽを向く。
「はい、忘れ物」
恐る恐る顔を向けると、目の前には白い封筒が差し出されている。
受け取ると、中からチャリンと小銭の音が。
「昨日のおつり」
「あっ、ありがとう……」
そのままくすねることもできたのに、わざわざ持ってきてくれたんだ。
本当、優しいのか腹黒なのか……。
「わぁお、冬川くん律儀だねぇ~」
2人が話している間に、こっそり封筒をバッグにしまう。
すると、鼻につくふにゃふにゃした笑い声が聞こえてきた。
「明莉ちゃんにとって、俺は王子様らしいから、優しくしようと思ってね」
昨日と同じ、ドス黒い笑み。そして両頬のえくぼ。
またからかってきたな……⁉
声が小さかったから他のクラスメイトには聞こえてないみたいだけど、このセリフは心臓に悪すぎる……!
しばらく彼は千夏と談笑した後、機嫌を損ねた私に気を遣ってなのか、何も言わずに帰っていった。
はぁ……おつりをもらっただけなのに、なんか疲れちゃった。