ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
愚痴をこぼすと、彼は口をモゴモゴさせながらフフフッと笑って。



「1年の時はそんなに冷たいとは思わなかったけどなぁ。優しいし、頭もいいし、おまけに顔もいいしで、クラスメイトからも慕われてたよ」

「えええ⁉」



先生や先輩だけじゃなくて同級生とも⁉

昨日の話がフラッシュバックすると同時に、やはり自分や星くんにだけ態度が違うんだなと再確認した。



「あ、でも星くんには鋭いツッコミ入れてた気がする。多分、グイグイくる人には冷たくしてるんじゃないかなぁ」



そういえば、以前なんとか作戦をした時、『明莉の押しが強いから呑まれないようにしてるだけ』って言ってたっけ。

星くんとはわりと早く打ち解け合えたし、ノリがいいから一緒にいて楽しい。

つまり、私と星くんは同類というわけか。
それならツンツンするのも納得がいく。



「そうそう、話聞こえちゃったんだけど、北松さんは冬川くんが好きなの?」

「っ……!」



危ない危ない、卵焼きがのどに詰まるところだった。

近くにいたから聞こえてたのか。恥ずかしい……。



「……うん。でも詩恩は私のことは友達として好きなんだって。だから片想いなの」
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