ライオン少女は宇宙系男子を落としたい

「大変失礼な話ですが……今日、後輩の女の子から告白されたと小耳に挟みました」



いつも話す時よりも、明らかに口調がおかしくなっているけど、気にせず話し続ける。



「でも噂では、先輩は告白を全部断っているんですよね? どうしてですか? 好きな人がいるからですか?」



真っ直ぐ目を見て尋ねた。

いつもニコニコしている先輩も、こればかりは上手く笑えないのか、口元が少し歪んでいる。



「……すみません。ズケズケ話して……迷惑でしたよね」

「ううん。噂されてるのは知ってるから平気だよ」



そうは言っても、さっきよりも声のトーンが低い。

……やっぱりこの話題は触れられたくなかったのかも。



「……本当にすみません」

「暗い顔しないでよ! 本当に平気だから! 確かに今日、告白されて断ったよ」



校舎の壁に寄りかかった先輩の隣に移動し、続きに耳を傾ける。



「断ってる理由はね、北松さんの言った通り、好きな人が理由なんだ」



やっぱり……。



「ん? 知ってたの?」

「えっ⁉ あっ、その……」



あぁもう! 何やってんの私!
このタイミングで声に出るってマズいって!
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