ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「あぁ、いきなり腕掴んで引き止めてきた人か」

「その節はすみませんでした……っ! 予定あったのに邪魔しちゃって……」

「大丈夫。5分遅れたけどギリギリ間に合ったから」



……なんか冷たい。

私が悪いのは重々承知だけどさ、そんなにキツい言い方しなくてもよくない⁉

あんなに仲良くしてたのに覚えてないのかな。



「ねぇ……本当に私のこと覚えてない?」

「人違いじゃない? あと、ここ図書室だからもう少し静かにして」

「っ……はい。すみません」



注意され、しょんぼり肩を落とす。


この反応は覚えてないな。
というか、めちゃめちゃ嫌がられてる。顔全体に表れてるもん。

謝ることができたのは良かったものの……こんな再会はあまりにも悲しすぎる。



別の本を読み出した彼をチラリと横目で見る。

星座神話……。



「…………乙女座と山羊座って、相性がいいんだって」



独り言のようにポツリと呟くと、ページをめくる彼の手が止まった。



「…………急に何」

「シオンくんが昔、私を口説いた時に言ったセリフだよ」



まだ出会って間もない頃、お互いに誕生日を教え合ったら、『俺達相性いいね!』ってニコニコして言ってきたんだ。
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