ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「じゃあな。お互い頑張ろうな」

「ちょ、ちょっ、ちょっと待ってよ! さっきの何⁉」



スルーしようとしたら、ガシッと腕を掴まれた。

うわぁ最悪。



「は? 何のこと?」

「とぼけないでよ! 初恋同士って何⁉」

「うるせーな。そのデカい声、応援合戦のために取っとけ」

「あ、ちょっと! 逃げないでよ!」



開会式の時間が近づいてきたので、掴まれている腕を振り払って急いで席に向かった。


これも罰なのか……。いや、呪いかもしれない。
だから明莉みたいにうっかり口が滑るんだ。

お願いだから早く解けてくれ。



開会式が始まり、いよいよ体育祭が幕を開けた。



約1時間後。

玉入れを終えて席に戻り、種目表を確認する。


次は2年女子の棒取り合戦か。
明莉と光野さんの出番だな。

去年は先輩達が棒を振り回して砂ぼこりが立ってたっけ。

今年も激しい戦いになりそうだ。



「続いては2年女子による棒取り合戦です。選手入場!」



生徒達の熱い応援を受けながら、同級生達が運動場へと入っていく。
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