ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「今のところ、全組の点差が5点差だから、まだまだ巻き返せるチャンスはあるね!」

「うん。特にリレーは各組2チームずつ出るから、順位が高ければ高い程点が稼げる。だからなるべく高い順位を取ってくれ」

「任せとけ~!」



10分休憩中、健と一緒に点数の看板を眺める。


自分は代表者で出る種目はないので、ひたすら応援するのみ。

声が枯れないよう、水分をたくさん取っておこう。



──タイヤ引きや大玉転がし、障害物リレーなどが行われ、午前の部が終了した。


昼食を取るため校舎へ。
すると、後ろからバシッと肩を強めに叩かれた。



「詩恩! お疲れ~!」

「おぅ……お疲れ」



うげ、明莉。
今1番会いたくないやつに会ってしまった。



「1人? 光野さんはどうしたの?」

「購買に行くからって先に行ったよ。星くんは?」

「健も購買に行くって……」



なんでよりによって2人共購買なんだよ。

やっぱまだ明莉の呪いは解けてないようだ。



「そうだ! 今朝の続き! 詩恩の初恋相手って私なんでしょ⁉ ちゃんと答えて!」

「……そうだよ。ライオンになる前の、シャイでおとなしい明莉ちゃんだよ」

「ライオンは余計だよ!」
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