ライオン少女は宇宙系男子を落としたい




明莉に弁解するため、光野さんと健に事情を説明し、中庭で昼食を食べることに。



「今日お弁当なんだね。初めて見た」

「あぁ、体育祭の時は購買まで走るの大変だから弁当にしてるんだよ」

「じゃあ朝早かったんじゃない? 何時に起きたの?」

「前日に準備してたから5時くらいかな」

「早っ! 私まだその時間寝てるよ~!」



たわいもない会話をしながらご飯を口に運ぶ。

そういや、2人で食べるのファミレス以来だな。



「────あの……彩葉さんは一体何者なの……?」



お互いに昼食を食べ終えたところで明莉が口を開いた。

情報量が多すぎて、何から説明したらいいのか……。



「まず、彩葉はモデルをやってるんだ。で、さっき言い合ったのも、昔その事務所の体験レッスンに参加したことがあって……」



話が長くなるのを承知で1から全部話した。

変態事務所と言ったのも、そのレッスンでなぜか社長から、『女装アイドルやってみない?』と言われたから。

あ、もちろんソッコーで断ったよ。


小さい頃から彩葉にさんざん女装させられたのもあって、女装に抵抗はなかったんだけど。

水沢くんが着ていたような服を人前で着たくなかったんだよね。
去年の妖精コスプレも、正直限界ギリギリだったもん。
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