ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
──その日の夕方。



「今日は煮魚かぁ~! んー! 美味い!」

「味濃くない? 大丈夫?」

「うん。ご飯と一緒に食べてるから」



私の隣で仲睦まじく夕食を食べている両親を横目で見る。


最近パパ、お酒飲んでないな。

夏頃からお酒の量が減ってはいたけれど、今月に入ってから一滴も飲んでいるところを見ていない。

私に気を遣って1人で飲んでいるのかな?


楽しそうに母と話す父を見る。

なんとなく表情も明るくなったような……。



「────ねぇ、最近パパお酒飲まないよね。禁酒してるの?」



何かあったのかと気になり、夕食を食べ終えた後、両親の会話に割り込むように聞いてみた。



「いや、禁酒はしてないよ。飲む頻度を減らしただけ」

「酔ったら泣いちゃうから減らしたの?」

「それもあるけど……ストレスが減ったから自然と飲む量も減ったというか……」



ゴニョゴニョ話す父に、「この際だから話したら?」と母が声をかけた。


やっぱり……。
お酒でストレスを発散するくらい、何かツラいことがあったんだ。
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