ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「……推しに告白されたんだって?」

「えっ……⁉」



無表情のまま口から出てきた言葉に目を丸くする。



「なんで知ってるの⁉」

「先輩にカマかけたんだ。で? 返事はもうしたの?」



カマかけたって、いつ⁉ 体育祭の前⁉ 後⁉



「いや……まだ」

「なんで? 推しは恋愛対象じゃないんでしょ?」

「そうだけど……」

「迷ってるの?」

「ち、違うよ!」



もしかして、私が黒瀬先輩に告白されたから冷たくなったの?

でもさっき先輩にも冷たかったよね?
カマかけた時にケンカしたのかな。



「断ろうと思ってる。あくまでも先輩のことは、推しとしての好きだから。それに……私が好きなのは初恋の男の子だし……」



若干イライラしている詩恩をなだめるように、遠回しに好きだよと伝えた。

のだけど……。



「じゃあ早く返事しなよ。先輩が忙しくなる前にさ」

「わかってるよ!」



淡々と返され、思わず声を荒らげた。



「そんなのわかってる。言えるならとっくに言ってるよ。ただ、気まずくなるのが怖いの。顔合わせづらくなったらどうしようって……」
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