ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
────
──



「失礼します……詩恩いますか?」

「あ! 北松ちゃん!」



昼休みに詩恩のクラスに行くと、星くんが出迎えてくれた。



「詩恩なら中庭で友達と話してるよ。多分まだいると思う」

「ありがとう……」



星君にお礼を言って、急いで階段を下りて中庭へ。

どうかまだいますように。



1階に下りて中庭に入り、人影を探す。

あ……! いた……!



「詩恩!」



ベンチに座っている詩恩に声をかけて近寄ると、奥に水沢くんの姿が見えた。


あっ……これは話しかけちゃいけない雰囲気だったかもしれない。


気まずさを感じてその場に突っ立っていると水沢くんがやってきた。



「冬川くんと話があるんでしょ? どうぞ」

「えっ、いいの?」

「うん。もう終わったから。じゃあね」



にこやかに去っていく水沢くん。
もしかして、今朝言い合っていた話を説明してたのかな。



「突っ立ってないでこっち来れば」

「あっ……うん」



手招きされ、隣に座った。



「……今朝はごめんね。励ましてくれたのに言いすぎちゃって」

「あぁ……俺のほうこそごめん。明莉の気持ち考えてなかった」
< 220 / 242 >

この作品をシェア

pagetop