ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「ご両親はまだここにいますか?」

「コンテストが終わってから少し話した後に帰っちゃった。明日も朝早くから仕事なんだって」

「そうですか……」



詩恩と雄基さんに色々とお世話になったから挨拶したかったな。

また今度遊びに行った時に会えたら言おう。



────
──



大盛況した文化祭が終わり、生徒達が帰路に就き始めた。


文化祭終わりに詩恩から「話したいことがある」と連絡が来たので、現在、自転車置き場で待機している。


10分くらい経ったところで、ようやく姿が見えた。



「おーい!」



花束とバッグを抱えている彼に手を振る。



「お疲れ様。優勝おめでとう!」

「ありがとう。膝は大丈夫?」

「うん! 雄基さんに手当てしてもらったから!」



表情がなんとなく柔らかい。
家族に会えたから嬉しかったのかな。



「コンテストで話してたのって私のこと?」

「うん。ビックリした?」

「当たり前だよ! 親友って星くんかと思ってたもん」

「明莉も親友だよ」



「はいこれ」と、詩恩は突然持っていた花束を目の前に差し出してきた。
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