ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「えっ……くれるの?」

「うん。応援してくれたお礼。あと、ケガさせたお詫び」



色とりどりの花が顔を見せている。

こんな綺麗な花束を受け取っていいの……⁉



「本当にいいの?」

「うん。俺1人じゃすぐ枯らしちゃうと思うから。受け取って」



これも、頼られてるってことよね……?



「ありがとう……これで2回目だね」

「2回? 何の?」

「詩恩が頼ってきたり、お願いしてきた回数。1回目がコンテストの応援で、2回目が花束」



説明するも、ピンときていないのか、頭上にハテナマークを浮かべている。

あ、あれ? 説明下手だったかな?



「……俺、他にも色々頼んでなかった? 覚えてない?」

「えっ、嘘! 何かあったっけ?」

「『親に俺のこと話さないで』とか、『推しに本気になるなよ』とか。あと、『人前で騒がないで』とか……」



待て待て待て待てぃ! それも頼み事だったの⁉

完全に命令かと思ってた!



「そうだ! せっかくだから私も……」



バッグの中から、家で食べようと取っておいたクリームパンを取り出した。
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