ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
────
──
「楽しかった~! オリオン座って大三角形にも大六角形にも入ってるんだね! すごいね!」
上映終了後、近くのカフェに寄って感想を述べ合った。
5年ぶりにまた星座ブームが来るかも。
「そんなに楽しかったんなら、春休みも行く?」
「いいの⁉」
「うん。多分かみのけ座も見られるよ」
「行く行く~!」
よっしゃー! 春休みもデート決定だーっ!
ツンデレデレデレ作戦が効いているようです!
ありがとうお星様! ありがとう宇宙様!
◇
「ねぇ、もうちょっと一緒にいようよ」
「ダメ。今の時期はすぐ暗くなるから早く帰って」
「はーい……」
現在、駅で詩恩の服の袖を掴んで、もう少し一緒にいたいとお願いし、バッサリと断られたところ。
仕方ない。暗くなったらまたパパが心配するし。
名残惜しいけど帰るか。
「じゃあね、しお……」
別れの挨拶を口にした瞬間、突然全身が優しい香りに包まれた。
「また学校でね」
「……うん」
最後に抱きしめてくるなんて聞いてないよ……。
照れているのか、それとも寒いだけなのだろうか。
ちょっぴり意地悪な笑みを浮かべた彼の頬は、ほんのり赤く染まっていた。
END
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「楽しかった~! オリオン座って大三角形にも大六角形にも入ってるんだね! すごいね!」
上映終了後、近くのカフェに寄って感想を述べ合った。
5年ぶりにまた星座ブームが来るかも。
「そんなに楽しかったんなら、春休みも行く?」
「いいの⁉」
「うん。多分かみのけ座も見られるよ」
「行く行く~!」
よっしゃー! 春休みもデート決定だーっ!
ツンデレデレデレ作戦が効いているようです!
ありがとうお星様! ありがとう宇宙様!
◇
「ねぇ、もうちょっと一緒にいようよ」
「ダメ。今の時期はすぐ暗くなるから早く帰って」
「はーい……」
現在、駅で詩恩の服の袖を掴んで、もう少し一緒にいたいとお願いし、バッサリと断られたところ。
仕方ない。暗くなったらまたパパが心配するし。
名残惜しいけど帰るか。
「じゃあね、しお……」
別れの挨拶を口にした瞬間、突然全身が優しい香りに包まれた。
「また学校でね」
「……うん」
最後に抱きしめてくるなんて聞いてないよ……。
照れているのか、それとも寒いだけなのだろうか。
ちょっぴり意地悪な笑みを浮かべた彼の頬は、ほんのり赤く染まっていた。
END