ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
彼女から星座柄のしおりを受け取った詩恩。
先週と同じく、満面の笑みでえくぼをガッツリ見せている。

なにその顔……!
さっきまでさんざん意地悪なこと言ってたくせに!

まさか性格バグった⁉



「はじめまして。冬川くんのお友達ですか?」

「はっ、はい! 2年3組の北松明莉です!」

「3年の青石清花(あおいし きよか)です。よろしくね」



唖然としていたら自己紹介された。

うわぁ、名前まで綺麗だなんて!
笑った顔も美しすぎる……!



「あ……もしかして、噂のハムスターちゃん?」



ハ、ハ、ハムスターちゃん⁉
噂⁉ 一体どういうこと⁉



「う、噂って何のですか?」

「『始業式の日に、雪の妖精くんがハムスターに似た女の子に追いかけられてた』って。さっき『ハムスターに似てる』って聞こえてきたから……」



え、待って。
さっき、詩恩、ライオン女って言ってなかった⁉

っていうか、ほとんど全部聞かれてたの⁉



「ちょっと詩恩! さっきと話違っ……」

「すみません、うちの元気なハムスターがギャーギャーと」



問い詰めようと口を開いた途端、彼は私を羽交い締めして口を塞いできた。
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