ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「めちゃめちゃケンカしてますけど、僕達仲良しなので安心してください!」



仲良し……⁉ あんなに冷たくしてるくせに仲良し⁉

さっきからこいつ、頭おかしいんじゃないの⁉



「そうなんだ。お似合いだね」

「えへへ。そうですか?」



ワントーン上がった声が頭の上から聞こえ、「なんか恥ずかしい」と体が横にゆらゆら。


絶対思ってないよね。
じゃなきゃこんなあざとく笑わないよ。

っていうか、普段から先輩に対してこんな風に接してるの?



「じゃあまたね。冬川くん、北松さん」

「さよなら~」



羽交い締めされたまま、先輩に会釈。

姿が見えなくなると、ようやく解放された。



「……っもう! 何するのよ!」

「ごめんごめん、俺も先輩と話したくってつい」



いやいや、「つい」で羽交い締めして口塞ぐ人がどこにいるの!



「ねぇ! さっきと話全然違うんだけど⁉」

「ごめん。俺の聞き間違えだったみたい」

「嘘。絶対私への悪意だよね。ハムスターで合ってたじゃん。この腹黒王子が」



悔しい悔しい悔しい。

羽交い締めされたとはいえ、後ろから抱きしめられた。

詩恩はただ黙らせようとしてやっただけなのに、一瞬でもドキッとした自分が恥ずかしい。



「明莉」
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