ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
恥ずかしさを掻き消すように早口でまくし立てていると、彼は急に顔を近づけて見つめてきた。



「……ごめんね」



……い、今、謝った⁉
あの詩恩が、ごめんねって⁉
聞き間違えじゃないよね⁉

頭を撫でる彼をかっ開いた目で見つめると。



「今度から気をつけるから。もうそんな顔しないで。ライオンちゃん。あ、ハムスターちゃんだったね」



メラメラと怒りの炎が燃えたぎる。

こ、こいつ……!
その綺麗な顔、一発殴ってやろうか⁉



「もう、そんな顔しないでって言っただろ。すげーブサイクだぞ」

「ブッ……⁉」



ブサイク……⁉
生まれてこの方初めて言われたんだけど⁉

そういうあんたも!
もう高校生なんだから、その不機嫌丸出しの顔やめなさいよ!



「お、女の子に向かってブサイクって言うなんて……!」

「その怒った顔がブサイクってだけで、明莉がブサイクとは言ってない」

「だからといって酷いよ! 詩恩のバカ!」



捨て台詞を吐いて立ち去る。

何度も強気で言い返してきたけど……さすがにブサイクは酷いよ。



「おいっ、そのぐちゃぐちゃな顔で戻る気?」

「うるさいっ。詩恩が腹黒であざといって言いふらしてやる……っ」
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