ライオン少女は宇宙系男子を落としたい




「詩恩、さっき電話してたのって女の子?」

「あぁうん。昔の友達」



お風呂を済ませてリビングで水を飲みながら答えた。

尋ねてきたのは、5個上の兄の雄基(ゆうき)
医大に通う医者の卵。

ひとり暮らしをしているのだが、今はGW中なため、こっちに帰ってきている。


電話してたの聞かれてたんだ。
けっこう声大きかったもんな。



「昔って……プラネタリウムで仲良くなった子?」

「うん。こないだ再会したの」

「おぉ。それは良かったな」

「そうでもないよ。だってずっと連絡してくるし。
毎日中身がないどうでもいい話ばっかり。いちいちかまってたらキリがないよ」



お酒を飲む兄に不満をこぼす。



「そんなに嫌なら、マナーモードにするか電源切っとけば?」

「部活から連絡来るかもしれないし、わからなくなったら困るじゃん」

「いうてもそんなに連絡来ないでしょ」

「連休の時は来ることが多いの!」



俺は1年生から天文部に所属している。

主な活動は、月や星、流星群の観察。
あとは資料を読んだり、日々の天空図を調べたり。

みんな自由に活動していて、連休や夏休みになると、「◯◯したよ!」と、みんなで休日の活動報告をし合っている。
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