ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「そんな怒るなよ。そのまま使ってたら恥かいてたかもしれないよ?」



余裕をたっぷり含んだ笑み。

まさか、私のことバカにしてる⁉



「もういい!」



カチンときて、突っ伏したままそっぽを向いた。

詩恩が冷たいだけじゃなく、人をバカにするような男になってたなんて……!



「ごめん、言いすぎた。こっち向いて」

「やだ」

「……あ、枝毛発見」

「なっ……!」



しおらしい声が聞こえたかと思えば。
みつあみを持ってクスクスと笑っている。



「時間だけじゃなくて髪の毛にも無頓着だったか」

「わ、悪かったわね! 無頓着で!」



その後、彼の力を借りつつ、30分間英単語をひたすら頭に叩き込んだ。


そして昼休み──。



「やだなぁ……」



朝の続きをしに、再び図書室に向かう。


なんとか交流を増やしたくて、「勉強を教えてほしい」なら断られないかもと思ってお願いしたんだけど……。


正直に「一緒に遊ぼう」って言えば良かった。


しかも今朝、結局サボったせいで、放課後も勉強することに。

教えてもらえるのはとてもありがたいし、一緒に過ごせるのも嬉しい。

だけど、またあの英単語達と顔を合わせるのはちょっと憂鬱だ。
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