ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
今朝と同じ窓際の席に向かうと、詩恩は女子生徒と楽しそうに話していた。


あの綺麗な髪と美しい笑顔は青石先輩だ。

うわぁ、またニコニコしちゃって……。
私にはそんな顔見せないくせに!


本棚の陰から睨みつけていると……。



「あの……あのお二人に何か用ですか?」

「はい?」



後ろから声をかけられ振り向くと、そこには小動物味がある可愛らしい男の子が立っていた。



「あ……あなたも詩恩と先輩に何か用が⁉」

「は、はい……」



あぁ、いけないいけない!

今日は優等生スタイルなんだから落ち着いていかないと。


彼と一緒に本棚の陰から様子をうかがう。


すると……。



「……もしかして、噂のハムスターさんですか?」



既視感ならぬ、既聴感があるセリフが聞こえ、勢い良く振り向く。



「そうですけど……どうしてわかったんですか?」

「きよ……青石先輩から聞いたんです。冬川くんと仲良しだって。北松さんですよね?」

「はっ、はい! そうです!」



キャー! まさか話してたなんてー!

っていうかこの小動物くん、先輩と詩恩の知り合いだったんだ。

詩恩にこんな可愛い友達がいたなんて。
一体どうやって仲良くなったんだろう。
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