ライオン少女は宇宙系男子を落としたい




「詩恩のバカヤロー!」

「お疲れ様でした。明莉さん」



放課後。公園に寄り道してベンチに腰かけ、空っぽになった水筒の中に向かって思いっきり叫んだ。



「まんまとハメられたね」

「ズルくない⁉ 私だけ損してもう最悪!」



少々に乱暴に水筒をバッグにしまう。


去り際、あいつ何て言ったと思う?

『ごめん。今度から気をつける。平均点取れたら一緒に遊んであげるから、もうそんな顔しないで。あ、時間もちゃんと守ってね?』って。


やりすぎたって一応謝られたものの。
あんな腹黒感たっぷりの笑顔で念押しされたら信用できないよ!



「やっぱ宇宙系っていうだけあって、一筋縄ではいかないね」

「本当それ! あいつの頭ん中どうなってんのよ!」



口が滑って焦ったかと思ったら余裕ぶっこいて。

結局質問も、何事もなかったかのようにスルーするし。

俺様系とか、肉食系とか、草食系とかならわかりやすいのに!



「なんなのよ宇宙系って……」

「なんかごめん。私が言い出したんだった」

「千夏は悪くないって! そもそも宇宙系に分類される詩恩が問題だよ!」
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