ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「おーい透瑠〜。何してんのー?」



彼の背中を睨んでいると、どこからか水沢くんを呼ぶ声が。



「……(しゅん)くん!」

「今そっち行くー」



2階の窓から顔を覗かせていた男の子。

私達に手を振った後、30秒も経たないうちに中庭まで下りてきた。



「何してんのー? 浮気ー?」

「ちょっ、やめてくださいよ! なわけないじゃないですか!」

「アハハ! ごめんごめん! 冗談だって!」



水沢くんの肩を叩きながら爽やかに笑う彼は、黒髪と切れ長の目が特徴的で、キリッとした顔立ち。

身長は私よりも頭1個半ぐらい背が高い。

かっこいい。モデルさんみたいだ。



「友達?」

「うん。冬川くんの友達。同い年なの」

「あっ、はじめまして! 北松明莉です!」



あまりの迫力に思わず早口で自己紹介した。



「こちらこそ。黒瀬(くろせ)隼です。3年生です。よろしくね」

「よ、よろしくお願いします……!」



私の身長に合わせて体を屈めて挨拶してくれた黒瀬先輩。

クールな外見と優しい笑顔のギャップに、心臓がキュンと音を立てた。
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