ライオン少女は宇宙系男子を落としたい



「マジで? あの黒瀬先輩と?」

「有名なの?」

「あれだけイケメンならねぇ。男子からは羨望の目、女子からはハートの目で見られてるよ」



朝のホームルームを終えて、中庭での一連の出来事を千夏に話すと、既に彼のことを知っていたようで驚かれた。


そんなすごい人としゃべっちゃったなんて……。

っていうか私、校内の情報に疎くない?
自分が噂されてたことも知らなかったし。

情報が飛び交ってるわりには全然耳に入ってこないんだけど。

みんな一体どこから情報を得てるんだろう?



「よく告白されてるけど、全員フッてるんだって」

「そりゃあ彼女がいるなら断るでしょう」

「いや、それがいないんだよね。女友達はいるけど、彼女っぽい人と一緒にいるところは誰も見たことないって」



えええー! 少女漫画によくある展開じゃん!
他に好きな人がいるのかな?



「みんなすごいね。あんな高嶺の花みたいな人に告白できるなんて」

「クールに見えて意外と明るい性格だからじゃないかな」

「なるほどね〜」



確かに。あの笑顔は腹黒感たっぷりの詩恩と比べて、悪意ゼロの純粋な笑顔だった!

モテモテなのも頷ける。
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