ライオン少女は宇宙系男子を落としたい


昼休みになり、急いで購買に向かうと、既に人だかりができていた。


うー……いつになったら買えるのかな。


中に入ろうと試みるも、圧で跳ね返されてしまった。

どうしよう、このままじゃお昼抜きになっちゃうぅぅ。


ソワソワしていたら、中の様子をうかがっている詩恩を見つけた。



「詩恩! そっちも買いにきたの?」

「おぅ。明莉も?」

「うん。今日お母さんが寝坊しちゃったからお弁当なくて」

「ふーん。勉強に熱中しすぎて持っていくの忘れたのかと思った」



相変わらず意地が悪い言い方しやがって。

昨日の反省はどこにいった!



「お、冬川くん。それに北松さんも」



すると、人混みからお昼ご飯が入った袋とお茶を持った黒瀬先輩が出てきた。

わわわ、周りの女の子達がみんな見てる。



「先輩も買いにきてたんですね!」

「うん。北松さんも?」

「はい! 今日だけですけどね!」



かっこいいぃぃ!

その笑顔を見られただけで、もう心もお腹も満たされました……!



「ごちそうさまです……」

「へ?」

「あっ、いえ! なんでもないですっ!」

「アハハ。2人はまだ買ってないの?」

「はい……あの中に入ると埋もれそうで……」
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