ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「なんでおかしいってわかるの! 私の胸触ったことないくせに!」



周りの迷惑にならない程度の声で言い放った。

たった1回押しつけただけで見抜くなんて、普通触ったことがないとわからないよね⁉



「……明莉さ、何度か俺の腕掴んだことあるよね」

「う、うん」

「その時に勢いが良すぎて、胸が当たったことがあるの。覚えてない?」



……どうしよう。

いつ? どこで? 全然覚えてない。
私、そんなに勢い良すぎた?



「盛るのは自由だけどさ……虚しくならないの?」

「むっ、虚しくなんか……!」



苦笑いしている顔と目が合う。

まさか、同情されてる……⁉



「今すぐ取って」

「なんでよ! 盛るのは自由って言ったじゃん!」

「違和感ありすぎて目のやり場に困るんだよ。まさか押しつけてくるなんて思わなかった」

「えっ! 気づいてたの⁉」

「うん。ずいぶん盛ってるなぁ~って思いながら声かけた」



うわぁぁ、最初からバレてたなんてぇぇ。

っていうか、そこは照れながら言うところじゃない⁉



「……いいから取って。取らないなら俺が取るよ?」

「わ、わかった! わかったからっ! それ以上近づかないで!」
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