I love youの表し方
「それじゃあ、見ててね」

雪はそう言って微笑み、音楽を再生する。今日までたくさん練習してきた。それを今、好きな人に見せるのだ。自分の想いを伝えるためにーーー。

全ての始まりは、高校一年生の秋の頃だった。



「……ッ！うう〜……！」

放課後の教室で一人、雪は泣いていた。机には透明な雫が音を立てずに落ち、濡らしていく。そんなことを気にすることなく雪は泣き続けていた。

雪はスマホを手にし、撮った写真を見返していく。雪の写真には犬の写真が多い。愛犬のローを写したものだ。その写真を見ているだけで雪の瞳から涙があふれていく。果てしない悲しみや苦しみから、雪は無意識のうちに胸元を強く握り締めていた。

ローはもうこの世にいない。朝、雪が目を覚ますと隣で冷たくなっていた。みんなが眠った真夜中に、ローは静かに天国へと旅立ったのだ。

「何で……！何で死んじゃったの！？」

どれだけ泣いても涙が止まらない。いつか別れが来ることは覚悟していた。それでも、悲しいという思いがあふれていく。
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