無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験


「か…帰るか!」


てんぱって少し大きな声で言うと、壱がさっと視線を冷たくして私を見下ろして。


「帰るかアホ」


私から少し離れたと思ったら、ぱ、と手を掴まれて、そのまま壱に引きずられるように歩きだす。



ふ、ふーん別に手くらい何回も繋いだことあるしね、小学生の頃までだけどね。

言い聞かせて平然装って壱の後ろを歩いていると、壱が少し首をよじって私の顔を見てから、繋いでいる手の力をゆるめた。


あ、解くのかな、そう思ったら、するりと壱の5本の指が私の指に絡みついて、きゅ、と結ぶように優しく握られた。

私の5本指と壱の5本指が絡みあっている、5本指が…5本指が…。


これは俗にいう…、



 こ い び と つ な ぎ !



だだだだだからなんだ!

てか恋人繋ぎとかいうネーミング古いし!

こんなもんご近所さん同士でもしてるしてる!してない?してる!してない!


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