無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験
「めっちゃ久しぶりじゃん元気にしてたのてか何年ぶり?」
ぱあっと桜が満開、みたいな笑顔で笑ったJD万里加は、矢継ぎ早にそう言った。
「そうですね」
「デート?デートでしょデートでしょ?」
「はい」
「てことはなになになに。こちらのかわい子ちゃんが仁乃ちゃんってことかな?」
きゅるん、とした猫目で見つめられて、私は壱の代わりにこくりと頷く。
なるほど、壱とは、私の名前を知っている関係…。
ただの壱好きの女、ではない…。
ちゃんと紹介してよ、と壱を見たけど、当の壱はもう飽きたみたいな顔でなんか遠くの方を見ている。
から、私は持ち前の礼儀正しさをここで発揮してみる。
ぴしっと背を伸ばし、表情をひきしめ、ぺこり、お辞儀の角度は15度。
「はじめまして、安達仁乃と申します」
ところで壱とはどういったご関係で?
ずずい、と、身を乗りだしてそう聞きたい気持ちは確固たる理性できちんとこらえた。