無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験
「ちょーかわいいじゃんまじでピチピチJKたまらんわね」
JD万里加は壱と私をまた交互に見ながら、右手をぱたぱたとおばちゃんみたいに振る。
そしてようやく、その正体を明かしてくれた。
「高木万里加です。…あ、大学2年です」
「こ、こんんちは」
「あははははやだな仁乃ちゃん、あたし壱くんとは全然怪しい関係じゃないよ?」
カラッと笑われてものすごく焦る。
こらえたつもりがこらえきれず、身を乗りだしてしまっていたんだろうか。
1人で困惑し続ける私の隣で、壱はふわわといつもの欠伸。
「あたしが高3の時…壱くん確か高1か。そん時に一緒にバイトしてたんだよ~1年だけだけどね」
「光太郎くんちの酒屋ですか?」
「そうそう!あたしが高校卒業してバイト辞めた以来だよ~」
猫目と口角をきゅっとして笑うその人は、今までかいだことのない匂いがした。
つまり、壱好きの女じゃないってことだ。