無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験
住宅街の道路の真ん中。
壱の綺麗な二重まぶたは、朝の眠気に押されて少しとろんとしながらもきょとんとしているから。
なんですか、私の顔になんかついてますか?
私のごく平均的で面白みに欠ける顔面が今更物珍しくなってきましたか?
いや、考えるな。
視線の意味なんて辿るな。
こういう時は動揺したら負けだ…喝だ喝だ喝だ!!
瞬きさえこらえて、なんなら呼吸まで止めて無表情の壱とにらめっこ状態を続けたら、壱はふ、と少しだけ目を細めて微笑んだ。
「30分早く起きて…寝ぐせ?」
ばっと、髪先を抑える私を置いて、自分だけすたすたと歩きはじめる。
当然私もすたすた涼しい顔で壱の隣で歩き続けなければならないのに、明らかに動悸がおかしくてそれができない。