無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験
いつもは軽くセットされている黒い髪は、今、壱の顔に影を落としている。
綺麗なその顔は、いつもどおりの無表情。
私だけは読みとれるはずの壱の感情も、今ばっかりは分からない。
ていうか。
大事な幼なじみベッドに押し倒して、「俺と結婚して」とか頭とち狂ったみたいなこと平然とした顔で言って、このぼんやりイケメンは頭とち狂ってんのかな?
「んん?壱くんどうした?」
私はいつもどおりの笑顔で、壱を見上げて言った。
組み敷かれてると顔上げなくても見上げられるんだー便利、なんて、全然関係ないこと考えながら。
私、動揺してるな。